令和6(2024)年度助成金活動報告
『家政-Home Economics』遠州地方の紡績産業に関するリサーチを元にしたサウンドインスタレーションの制作。
- 活動名称
- 『家政-Home Economics』遠州地方の紡績産業に関するリサーチを元にしたサウンドインスタレーションの制作。
- 氏名
- 永田風薫
- 実施年度
- 2025年
助成を受けた活動の成果
【概要・目的】
私は、その土地の産業史や災書などの歴史を出発点に、社会に働く政治的な力を音や声を通して顕在化する作品を制作してきました。
今回、11月~2月に静岡県浜松市のアートスペース、鴨江アートセンターのレジデンスプログラム内で新作を制作/発表する運びとなりました。私は本助成金をその制作と発表に活用したいと考えています。
具体的には、浜松の産業史の中でも、紡績、紡織業をテーマにリサーチベースのサウンド・インスタレーション作品を制作します。織屋に生まれ、戦時中の金属類回収令により織り機の全てを奪われた経験を持つ祖母へのインタビューやトヨタグループの創始者豊田佐吉、浜松市中央区三ヶ日の織姫を祀る初生衣神社、私の母校であり裁縫学校だった歴史を持つ浜松学芸高校の初代校長中村みつのリサーチなどから、産業史の中で疎外されてきた無名の女性の存在を、声を通して描き出します。
【スケジュール】
実施体制
協力:鴨江アートセンター
記録撮影:来原幹治
インストーラー:齋藤千春
デザイン:布谷麻衣
セノグラフィ(器制作):上杉陸
スケジュール
8月~10月リサーチ期間
11月~2月制作期間
12月17日
プレス解禁
2月17日~20日
設営期間
2月21日~27日
展示
【発表方法】
成果発表は浜松市鴨江アートセンターにて、2月末に行う展示とその記録(写真+映像)で行います。
また展示終了後は、リサーチの成果や展示の記録をまとめたアーカイブブックを制作する予定です。
【今後の展望】
かっては主要産業として、日本の近代化を支えた遠州の紡績産業ですが、産業の中心が重工業に移っていったこともあり、他の産業に比べ、その歴史にフォーカスのあたることは少なくなっています。今回の制作を通して、紡績産業の歴史と正負両方の側面に少しでも認知が広がればと考えています。
またリサーチを介した、当時の女工を経験した方に当時の経験について話していただくことや、そうして集めた言葉を当時、女として働いていた方々と同じ世代に読んでもらうことで、土地の歴史を介して連帯を促すことができると考えています。現在、群馬の桐生市でも紡績業に関するリサーチを進めており、未定ではありますがリサーチの地域を複数に広げた上で、本作を巡回させることで、浜松に限らず、全国で紡績産業とその歴史の認知向上に繋げていきたいと考えています。
【その他(応募動機、自己PRなど)】
展示には、現在開発中の布をスピーカーとして利用するシステムを用いて、サウンドインスタレーション作品として発表することを目指します。テキストのリーディングには、先述の浜松学芸高校放送部に協力いただくほか、セノグラフィ(器制作)には、都馬にて織物工場の職人として働きながら、古い織機を素材に家具を制作する作家上杉陸の制作する家具を使用します。
防災無線通信 -ホーンスピーカーとサイレンのためのオペラ (2023-2024)
全ての作品は下記のPDFからご覧いただけます。