地方演劇を題材にした映画制作等

助成を受けた活動の成果

御財団の助成を活用し、島根県立三刀屋高校掛合分校の演劇同好会をテーマにしたドキュメンタリー映画を撮影した。4月以降編集作業に入リ、今夏～今秋の公開を目指している。

●現時点での作品内容
島根県立三刀屋高校掛合分校演劇同好会は3年生の曽田昇吾だけの部活動。2年生のときに一緒に高 校演劇の大会に出場した同級生は就職活動などで忙しいため、今回の大会には1人芝居で挑む。演劇の 魅力を知リ、「東京で役者になる」と決めたからだ。中島敦の『山月記』をベースに、曽田自身の決 意をそのまま芝居にした「走れ！山月記」は県大会を突破し、2022年12月にあった中国ブロック大会 でも3位の成績を残した。その勢いのまま文学座附属演劇研究所を受験し合格。春からは東京で演劇を 学ぶことが決まった。 卒業式直後の2023年3月には演劇同好会元顧問の誘いで東京・下北沢の「劇」小劇場に立った。2年 生のとき、ともに舞台に立った仲間とともに、当時の演目「走れ！走れ走れメロス」を再び上演。曽 田以外は地元•島根に残るため、演劇仲間や導いてくれた恩師と一緒にできる「最後」の公演にな る。

●助成を活用した作品制作について
以下の日程で撮影した。

◇2022年11月4日、島根県松江市の県民会館であった高校演劇県大会において県立三刀屋高校掛合分校 の発表のほか、出演した曽田昇吾らのインタビューなど撮影

◇2022年12月23~24日、山口県下関市の市民会館であった高校演劇中国ブロック大会において島根県立三刀屋高校掛合分校の発表のほか、出演した曽田昇吾らのインタビューなど撮影

◇2022年12月25~26日、東京都内で文学座を受験する曽田昇吾のインタビュー取材やインサート用の風景撮影など。

◇2023年1月28~29日、広島市であった短編演劇コンペティション「中国劇王」において曽田省吾の発 表のほか、インタビューなど撮影。。

◇2023年3月1~5日、島根県雲南市の県立三刀屋高校掛合分校であった卒業式や卒業生へのインタ ビュー、同市の劇場チェリヴァホールであった演劇の稽古など撮影。

◇2023年3月9~12日、東京・下北沢であった若手演出家コンクール2021最優秀賞記念公演「卒業式」 や、映画「走れ！走れ走れメロス」舞台挨拶の撮影など。

◇2023年3月18~19日、広島県福山市であった全国の高校演劇部が集う「ふくやま高校生春の演劇フェ スティバル」において島根県立三刀屋高校掛合分校の発表の撮影など。

◇2023年3月22日、島根県松江市の県民会館であった公演「これが、わたしたちの卒業式」撮影など。

●今後の予定について

3月末までに助成を活用した撮影はクランクアップした。今後は作品の構成や演出を検討した上で、音楽の制作や映像編集を含む編集作業に入る。今夏～今秋をめどに完成を目指す。 完成した作品は国内の各種映画祭に応募するほか、海外映画祭への応募も目指す。